どこにも、居場所がなかった



心地良い場所もなく



朽木家入りし、誰も私には近づいて来なかった



でも



あいつは違った













〜感謝の言葉〜












仕事の昼休み


私は一人になれる場所を探しに、少し深めな森に入った


どこかにいい場所はないかと探していると、拓けた場所に出た


その中心には大きな木があった


あの木の根でなら休めそうだ


私は、その木に近づいた



「ん?」



そして気づいた



木の裏側から覗く足に



「はぁ…ダメか…」



踵を返し、戻ろうとしたが、少し気になって横目で見る



どんな死神だ?



静かに覗き込み、息を飲んだ


なんて整った顔立ちをしているのだろう


今は閉じている瞳も、綺麗に違いない


ふと視界に入ったのは腹の上にある置き手紙


なんて書いてあったと言うと



『踏んでください。(思いっきり)』



私は手紙の言葉通り、踏んだ



思いっきり



「ぐえぇぁあっ!」



奇妙な声がした



「お前…何してるんだ…」



そのままの体制で、私を睨んでいる



「この言葉通りに踏んだだけだ」



紙を見せると、乱暴に奪ってビリビリにした



「恋次のやつだなっ!いや一角か!?」



どうやら恋次の知り合いらしい



「おいお前!」


「なんだ?」



再び私を睨んだ



「俺を踏んだんだからちょっと付き合えよ」


「だから私は…っこら!」



グィッと腕を引かれ、無理矢理座らされた


今度は逆に私が睨むと、そいつはニッと笑った



なぜだろう



少し落ち着く



「ここ、すごい気持ちいいんだぜ?風も、木漏れ日もみんな気持ちいい」



上を見て、木の葉を眺めながら目を細めた



「お前はいつもここにおるのか?」



そう言うと、あいつは眉を寄せた



だ。」


「む?私は…」



朽木ルキアだ、と名乗ろうとした



でも



なぜか出てこなかった



朽木の名を出すことを、私は拒絶していた



すると



「朽木ルキアだろ?知ってるよ」



あいつが私の名を言った



「そ、そうか…」



朽木家に養子入りしたことは有名だから、知らぬ者はいないだろう



「私は「でもまぁ、お前が朽木家の者でも俺には関係ない。だから」



私の言葉を割って、は再びニッと笑った



「気楽に行こうぜ」



なんだか、胸が熱くなった



一番求めていた言葉



太陽の如く笑って、私を一人の死神として見てくれる



「俺はいつもここに居るから、いつでも来ていいぞ。ルキアの嫌なことも、楽し
いことも悲しいことも、全部聞いてやるから」



優しい言葉に、涙が出そうになった



願っても願っても、決して叶うことはないと思っていたのに



ほしいと望んではいけないと思っていたのに



「朽木家に居場所がないなら、俺がルキアの居場所になって、お前にとって一番心地良い場所になってやる」



今まで以上に強く願い、求めてしまった



こいつの傍に居たいと



初めてあったのに、私の心情を理解してくれた



「私は、朽木ルキアだ。」



だから名乗ろう



自分の口で



もう辛くない



もう苦しくない



大丈夫



「おう!よろしくな!ルキア!」



白い歯を見せて笑うが、どうしようもなく愛しかった……――






それから私は、暇さえあればの下に行った



と居る時間が楽しい



と話している時間が楽しい



と共に過ごしている時間が嬉しい



またには喧嘩もするけど、その日の内に仲直り



私から謝ることもあり



から謝ってくることもある



その時の私たちは決まって笑顔




『しょうがないな、許してやろう』




それを合い言葉に、私たちは吹き出して笑う



共に夜を過ごしたこともある



嫌な夢を見れば、ずっと傍に居てくれる



私はに救われた



恐らく、いや絶対にこれからの人生、なしでは生きていけないくらい、に依存してしまった



怖ず怖ずと話せば、は嬉しそうに笑って



『俺も』



と言ってくれた



ありがとう



ありがとう



本当にありがとう



こんな言葉じゃ足りないけど



「おい


「なんだルキア、白玉食ったことは謝るぞ」


「Σやはり貴様か!いや貴様しか居ぬな!…って、そうではないっ!」



今、が私の部屋に居る



私の部屋で、現世から取って(盗って)きたマンガと言うのを見てる



私が言いたいのはそんなことじゃない



「あのな///」


「おう」



そう



私が言いたいのは




「私と出会ってくれて、ありがとう……」




と言う











感謝の言葉……――




        END