「や、久しぶり」




「…………うん」










自分の名を告げた後、累は令に向き直る





そして2人の間には何も無かったというように普通に接する累に、

令は少なからずとも戸惑っていた








「何?元気無いね。あ!そういえばこの間令熱出したっしょ!」











あの日の最後に見た累は微塵も見られなくて安堵する







あの、冷たい眼差しを向けていた累は


今は目の前で微笑んでいた









固まっていた表情に、熱が甦った気がする

上手く笑えた










「累こそ、出したでしょ?私の前に」





「そうそう。祥子のお陰ですぐ治ったけどね」









「…あ……祥子、が………?」







何とか笑えた顔が、再び曇る

そんな令を他所に、累は隣で俯いていた祥子の肩を抱き寄せた












「うん、見てたでしょ?あの日の夜」





















「え………?」





「ちょ…累、貴方何を……!?」














不敵な笑みを浮かべる目の前の人物



彼女は、私が良く知っているはずなのに…




彼女は、私が知らない人間だった















「祥子は私の物だよ、退いてくれるよね」





「………っ!!」









「いつだってそうだったでしょ?由乃だって、江利子さんだって…」









「っ………え…?…何、言ってるの…?」
















累の目が、お姉さまへと向けられた


私の目も、お姉さまへと向けられる












お姉さまは、部屋中の人々に見つめられいていても

ただ窓から外を眺めていた








「…ぁ…お姉さ、ま?」



「ちょっと、江利子…どういう事?」
















頬にかかる髪を耳に掛けてから、

お姉さまは真っ直ぐ私を見る

















「まさか貴方の妹が令だとは思わなかったわ。まぁ、幾らなんでも令に似た人間がこの町に何人も居る訳ないとは思っていたけど」



















どうして?











どうして…






















累、どうして私から全てを奪う?

































この日、私は全てを見失った……















あの日の夜、お姉さまが駆けつけてくれた事は



本当に嬉しかったんだ







抱きしめてくれた時、救われた気がした

私を見てくれる人がまだここに居る、って









でもそのお姉さまも、貴方は既に私から取り上げていたんだね……


























































next...